地デジと携帯のイス取りゲーム

総務省もちゃんと説明すれば理解も得られるだろうに。
CNET Japanの『地デジ放送開始時期見通しを市町村別に…総務省初提供』より

今回のロードマップにより、2011年7月にアナログ放送を停波し、地デジ放送に完全移行した際に、地デジ電波が届かない世帯が30万〜60万世帯程度出てくるとの試算が明らかになった。

地上アナログ放送が終了するとテレビが見られなくなる世帯が最大で約60万世帯でることが試算で明らかになりました。
でも実際には電波が届かない地域だけでなく地デジのエリア内であっても高価な地デジ対応テレビに買い替えできない人も有り、たくさんのテレビ難民が出そうな気配です。
でもそこまでして総務省が地デジを推進するのは何故でしょうか。

なぜなら電波に空きがないからです。

ではなぜ電波がそんなに必要になってきたのでしょうか。
それはワイヤレス機器(例えば無線LAN)が増えて電波を使用する量が増えてきたからです。特に目立つのは携帯電話です。
携帯電話自身が急激に利用者を増やしたため、既に割当済みの電波では不足しはじめている状況でもあります。そこで携帯電話会社がまず自分たちで手を付けたのが「通話・通信のデジタル化」です。デジタル化する事で少ない周波数帯でもそれなりに通話する回線数を確保できるので、まっさきに手を付けました。
しかし携帯電話に機能が増えて、音楽や動画を配信するなど通信量が増えてきました。データのダウンロードに時間がかかるようになったので、利用者から「もっと早くダウンロードできるようにして欲しい」と注文がつくようになりました。取りあえず今の技術で対応したのがHSDPAなどの「高速データ通信」です。
でも今のままでは電波が足らなくなり将来的に回線がパンクする可能性が出てきました。そこで総務省に「もっと電波くれ」と叫んでいるのが現状な訳です。でも総務省にも手持ちの電波があまりありません。そこで考えついたのが「他の電波もデジタル化して電波を有効活用させればいいじゃないか」という事です。
で目に見えて一番分かりやすくかつ電波を空けられる事が出来そうなのが「地上波テレビのデジタル化」だったのです。アナログ放送を終了する事で携帯電話を始めとした電波利用希望者への追加割当を行なおうとしているのです。さっそく総務省は「高画質放送や双方向放送にも対応して便利になるよ」とお題目を付けて地上波デジタル放送を開始したのです。
しかしアナログ放送が終わるのはまだ数年先。それまでに新しい事をしようとしている携帯電話業界は電波の免許をめぐって激しい攻防を始めています。
iZaの『次世代通信、KDDI陣営が新会社 業種超え企業連合』より

次世代高速無線通信の免許獲得を目指すKDDI・京セラ陣営が、週明けに新会社を設立することが14日分かった。大和証券グループ、三菱東京UFJ銀行、JR東日本、インテルが参画し、通信の枠を超えた企業連合として事業に取り組む。次世代高速無線ではNTTドコモとアッカ・ネットワークス陣営、ソフトバンクとイー・アクセス陣営、ウィルコムも免許獲得に名乗りを上げているが、KDDI陣営は準備段階から先行し、優位性をアピールする。

携帯・PHSキャリア5社が4つに別れて次世代携帯通信の免許を奪いあう状況になっています。
それは総務省が「免許を与えるのは2社」と明言したからです。
単純に考えれば参入を計画する全ての会社に免許を与えて競争させる事で、利用料金が下がるなどメリットが多そうな気がします。しかし今の電波の空きの状況やキャリアの寡占化を防ぎたい状況ではできないことなのです。


テレビを見るのもケータイでメール書いたり通話するのも同じ「人」です。その人の1日の時間は24時間と限られています。そのうちの限られた余暇時間をケータイとテレビ(のほかにゲームやパソコンなんかもあります)で奪い合っている状況です。
私の場合は地上波放送がつまらない事や通勤を含めて外にいる事が多いのでケータイやパソコンの利用時間が圧倒的です。
一応ケーブルテレビを敷いてあるので地デジをみるのに困りはしません。でも一番いいのはネット経由でケータイに番組をストリーミングしてくれると電波さえ届けばどこでも好きな時に自分の見たい番組が見られてうれしいのですが、放送業界側は乗り気ではないようです。
電波も時間も奪いあっているのが放送業界と携帯業界。どちらが先にイスを取れるのでしょうか?
私の予想はケータイなんですけどね。

Pocket

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。