すでにマスコミは思考を止めはじめている

「放送とは送りっ放し」とはよく言ったもんですね。
MSN毎日インタラクティブの『抗うつ剤:「パキシル」服用の自殺者増加 副作用の疑い』より

抗うつ剤「パキシル」(一般名・塩酸パロキセチン水和物)の副作用が疑われる自殺者が05、06年度と2年連続で2ケタに増えたことが厚生労働省などの調べで分かった。パキシルはうつ病やパニック障害などに有効だが、若い人を中心に自殺行動を高めるケースがあり、添付文書にはすでに警告や注意が明記されている。厚労省は医療関係者に「患者の状態の変化をよく観察し、薬の減量など適切な処置を」と呼びかけている。

この手の薬に縁のない方はご存知無いでしょうが、問題になっている「バキシル」は鬱病患者の間では効果も高いが「希死念慮」(自らの死を望む思い)を引き起こしやすい薬として知られています。ただ適切に使用している限りは問題になる事はありません。そもそも鬱を治療しなければ自ら命を絶つ人はもっと増えている可能性があるわけです。
ですが、今日一斉にこの話題をマスコミは取り上げています。
この薬を知るものとしては「何で今更記事になるの?」と疑問がいっぱいです。


このニュースを読んでいると「厚生労働相の調べで分かった」の一文が気になりました。
つまり各マスコミは自分たちの手で調べた記事ではなく厚生労働省という役所の発表を、おうむ返しに記事にしているだけだったのです。


ちしろさんの「ハチミツとシロツメクサ」にて「あなたの代わりにマスコミが考えてくれます」というエントリが上がっています。
偽装ひき肉事件を題材にマスコミの恣意的な報道姿勢を考察されています。
お時間があるなら大元の記事である「偽りのないミンチとは?」とその記事からインスパイヤされたトモサクさんの「コトノハのシズク」6月26日の記事を読んでいただくと理解が深まるかと思います。(引用しようかとも思いましたが引用自体が長くなるので避けました)
どちらの記事も、偽装ひき肉の是非は別として、マスコミの報道に関しては視聴者に受けがよくてなおかつ視聴率がとれるような形で取り上げられているから鵜呑みにすると危ないよと言われています。これはおっしゃる通りだと思います。
(偽装ひき肉自体に関しては、モノづくりをする側の視点が少し意見が異なりますがそれはまた別の機会にでも取り上げます)


しかし、マスコミは視聴率や新聞の売り上げすら考えずによその発表を垂れ流す事だけの行為を始めているのです。
恣意的であれば少なくとも何らかの意図をもって「報道を制作」しているわけですが、それすら放棄を始めている兆候があります。
たとえてみれば、恣意的な報道は「化学調味料で味付けしまくっておいしく感じる料理」ですが、垂れ流し報道という「味付けも加工もしていない料理とは言えないもの」がレストランのメニューに出てくるようなものです。
こうなると料理を食べる側は自分で調理して、咀嚼して、自分の舌で味を感じる事が要求されます。
それならば中途半端にに加工されるより、素材そのものを手にして自らの手で調理したほうがよっぽど素材のうま味を引き出す事が出来るはず。
もうマスコミという名のレストランからはまともな料理は出てこないと覚悟したほうが良いのかもしれません。

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