揺れる想い?

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今回のエントリは数学アレルギーの人にはちょっとつらいかもです。
日経のSAFETY JAPANにこんな記事(というかコラム)が載っていました。

第1回
「震度」は時代に合わない表記
対数という喜劇
 強い地震が発生すると、テレビですぐに、「ただいまの地震は震度5弱でした」などと教えてくれる。この「震度」には「三つの喜劇」がある。

てっきりこういう見出しですので、震度の計測方法が人的依存して古くさいのかと思いました。ところが記事を読み進めていくとどうもそのようではありません。

かつては、気象台の職員が「体感」で震度を決めていた。1996年になって、気象庁はこれを「震度計」で決める方式に改めた。震度計では、記録された地震波(加速度)に工学的な処理を施し、次の式で「計測震度」を求める。
  I = 2 log( a )+ 0.94
 「I 」は計測震度、「log」は常用対数(じょうようたいすう)、「a」は工学的に処理された実効加速度だ。

一般人は震度になじんでいるのだが、震度の仕組みを知ろうとして一歩先に進もうとすると、対数を含む式が登場。その瞬間にコミュニケーションは困難になってしまう。文化系の人間のほとんどは対数が苦手なので逃げ腰になってしまうし、実のところ対数は理科系の人間にも分かりにくい「記号」だ。

ここまで読んで、この筆者の考えを疑いました。対数なんて日常の行ないでは確かに使わないけどちょっとした科学技術計算ならすぐに出てくる数学の考え方の一つです。こんなもの高校生でわかる程度の数学ですよ。
たしかに数学アレルギーの方にはつらいですが数字を扱う技術屋さんで平方根や三角関数、対数ぐらいの定義はそらで言えて当たり前のものです。かくいう私だって高校生の時に対数程度は学んで実際に計算していたし今でも関数電卓のお世話になれば数式から実の値ぐらいは導けます。対数なんてその程度のものです。
記事の後半は長文なので引用しませんが。この筆者は「震度」の計算に対数を利用しているから普通の人には馴染み無く古くさいものでもはや不要だと言い放っているのです。そして専門家の間でも対数が入る事でモノづくりに齟齬がでるとまで言い放っています。
個人で震度計算するのは計測技術もあって難しいのはわかるけど、建築設計をするような技術屋さんなら対数ぐらいは処理できて当たり前だし、実際には強度計算などコンピュータで処理しているのでしょうから建築屋さんが数式を解き明かすわけでも無いのです。建物作る時に構造計算(例のマンション強度偽装したアレ)などは力学の応用なのだから数学が飛び交って当たり前だと想うんですけどね。
この記事を読んでいると単に筆者が数学アレルギーがあるので対数を使うもの(震度だけでなくマグニチュードも対数を使うそうです)は良くないと言っているようにしかおもえません。興味を引こうとこういうコラムを書いたのでしょうが、筆者の技術的バックボーンが弱い事を証明しているだけにしか思えませんでした。

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